HomeLHD Project

大型ヘリカル装置(LHD)計画

大型ヘリカル装置(LHD)計画では、『ヘリオトロン配位』と呼ばれる閉じ込め磁場を採用した『大型ヘリカル装置(LHD)』を用いて、高温・高密度プラズマの閉じ込め研究を行なっています。強い磁場を定常的に発生させることが可能な『超電導コイル』を用いた、世界最大級のヘリカル装置である、LHDの安定性・定常性に優れた特徴を活かして、将来の核融合炉の実現に必要な炉心プラズマの物理、定常維持、炉工学に関する研究課題に取り組んでいます。

ヘリオトロン配位

磁場の容器(磁力線の籠)でプラズマを安定に閉じ込めるには、粒子の逃げ口となる終端のない無限に周回する磁力線が必要です。加えて、この磁力線でドーナツ型の籠を作るには、磁力線に『ひねり』を加える必要があります。磁力線のひねりを、磁場コイル自身を捻ることにより実現する方式を総してヘリカル型(もしくは、ステラレータ型)と呼びます。LHDはヘリオトロン配位と呼ばれる磁場配位を採用したヘリカル型の装置です。ヘリオトロン配位は、プラズマを閉じ込めるために必要な磁場配位を一対のらせん型の外部コイルのみで形成することが可能なため、定常運転能力が優れています。

ヘリオトロン配位。ヘリカルコイル(薄紫色)によって『ひねり』を持った磁力線の籠が形成され、プラズマ(黄色)を閉じ込めます。

大型ヘリカル装置の概要

LHD計画では、プラズマ中を流れる電流を必要としないヘリカルプラズマを用いて、ヘリカル型の核融合炉設計につながるプラズマの性能向上と、トカマクも含めたトーラス(環状)プラズマに共通する物理の理解を目指した学術研究を推進しています。LHDは、超電導コイルを用いた装置本体、各種プラズマ加熱装置、プラズマの温度や密度等、種々の物理量を測定するための各種計測器などで構成されています。

LHDの実験室内部(中心の丸い部分がLHD本体)
LHD本体の断面モデル
LHDのプラズマ真空容器内部

大型ヘリカル装置の主なパラメータ

装置パラメータ
装置本体の外径13.5 m
装置本体の高さ9.1 m
装置本体の総重量約1500 t
大半径3.9 m
小半径0.6 m
プラズマ体積30 m3
磁場強度3 T
総加熱電力3万6千 kW